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私はシステムエンジニアです。システム開発では開発したシステムを大人数でテストすることが多いです。大人数でテストするには専用の環境に開発したシステムをアップロードしなくてはなりません。
ところがそこで大きな失敗をしてしまいました。修正モジュールをテスト環境にアップロードする際、不要なファイルまで含めてしまい、テスト環境が混乱。その結果、現場全体の進行に大きな影響を与えてしまいました。
当時の私は、失敗の原因を「手順が悪い」「説明が足りない」と、周囲にばかり求めていました。しかし、後から振り返ると、本当の原因は自分が小さな「殻」に閉じこもり、周囲とのコミュニケーションを避けていたことにありました。
数年前の話ですが、この本を読んでいてふと思い出した失敗です。我ながらきれいに当てはまっているなと思いました。
今回は、その「殻」に閉じこもったことで生まれた失敗と、そこからの学びについてお話しします。
失敗の背景:殻に閉じこもった理由
このプロジェクトに参画してから、少しずつ周囲と距離を感じるようになっていきました。その原因となったのは、次のような不満や出来事でした。
1. 突然の役割変更と説明不足
面談で説明された内容とは異なるプロジェクトにアサインされ、さらに新人教育の役割まで任されることになりました。事前の説明がなく、現場に馴染む前に多くの負担がかかったことで、「自分はここに必要とされていないのでは」という気持ちが芽生えました。
2. 視野が狭くなる要因
お客様の意向で新人中心の運営が進められた結果、自分は「ただのサポート役」に感じられるようになり、貢献している感覚が薄れていきました。
3. 育児休暇を控えていた心の準備不足
2人目の子供の誕生を控えて育児休暇を検討していたこともあり、「この現場に長くいるわけではない」という思いがどこかにありました。そのため、自分から積極的に関わる意識が薄くなっていたのです。これらが積み重なり、私は自分の小さな「殻」の中に閉じこもり、周囲とのやり取りを避けるようになってしまいました。
殻に閉じこもった結果、何が起きたのか
自分の視野が狭くなり、殻に閉じこもった状態が続いたことで、次のような問題が発生しました。
1. 情報不足のまま作業を進めた
手順書の曖昧さや作業内容の不明点について周囲に相談せず、独断で作業を進めてしまいました。その結果、不要なファイルをアップロードするミスに繋がりました。
2. チームでの連携が取れなかった
「どうせ自分は部外者」という意識から、他のメンバーに確認や協力を求めることができず、結果的に孤立する形になりました。
3. 建設的な提案を放棄した
現場のプロセスやルールに疑問を感じながらも、それを改善しようとする行動を起こさず、不満を溜め込むだけになっていました。
振り返り:殻から抜け出すために必要だったこと
今振り返ると、この失敗の最大の原因は、自分自身が「殻」に閉じこもり、周囲を敵視していたことにあります。当時、次のような行動を取るべきだったと感じます。
1. 視野を広げて周囲を信頼する
「自分だけが大変な状況に置かれている」という被害者意識を手放し、周囲の状況や立場を理解しようとする努力が必要でした。
2. 積極的に情報を求める
手書の不明点や役割の曖昧さについて、早い段階でリーダーやメンバーに確認していれば、不要なファイルをアップロードするミスは防げたはずです。
3. 自分の役割を明確にする
新人教育の役割が与えられた際に、「どの範囲までサポートすべきか」「何が求められているのか」を明確にしておくべきでした。
4. 改善案を積極的に提案する
現場の非効率や不満に感じた点について、批判するのではなく、具体的な改善案を示すことで、現場全体の改善にもつながったはずです。
学び:殻から抜け出すことで得られるもの
今回の失敗から学んだ最大の教訓は、自分の視野を広げ、周囲と積極的に関わることの重要性です。
- 周囲を敵視せず、信頼すること。
- 情報不足を放置せず、疑問はすぐに解消すること。
- 不満を建設的な行動に変えること。
「殻」に閉じこもると、周囲が自分に与えた助けや期待に気づけなくなり、自らチャンスを失ってしまいます。次回以降、私はこの経験を活かし、「殻」に閉じこもらない働き方を心がけていきたいと思います。
おわりに
もしあなたも「自分は孤立している」と感じているなら、一度立ち止まって、周囲に目を向けてみてください。少しの行動が、自分を「殻」から解放し、仕事を前向きに変えるきっかけになるはずです。
書籍紹介
今回の記事で私が「殻」と言っているものを、この書籍では「箱」と呼んでいます。私がやらかしたような事例以外にも自分の中に閉じこもってしまうことでうまくいかなくなる、とても身近なよくある実例が豊富に紹介されており、その対策がストーリー形式、会話形式でうまく説明されています。
人間関係うまくいかない、とか、冷遇されている、とか相手にうまく気持ちが伝わらないとか、みなさん何かしら思ったことはあるはず、そういったこと大して新たな視点、気づきが得られる本だと思います。